★心理カウンセリング★

お隣カリフォルニア州で、心理カウンセラーの斉藤あふみさんの
コラムです。
現在は、主に結婚・家族に関するセラピーを行われています。
自分を傷つける理由
昨年、BIOLA大学にて、Self-Mutilation(自分の身体を傷つける行為)についての 講演を依頼され、人前で話すのはあまり得意ではないにもかかわらず、 より多くの人にその問題ついて理解を深めてもらおうと2回に亘って講演してきました。 Self ?Mutilation については残念ながら、薬物乱用、拒食症、過食症、もしくは その他のSelf-Destructive Behaviors(タバコやアルコール常用など)のように宣伝や広告などで 公に扱われてないばかりか、一般の人たちにあまり理解されいません。 それどころか、Mental Health の専門家やセラピストの人たちの間でもたまに、自殺行為、 もしくは自殺願望行為と勘違いしてクライアントが病院の入退院を繰り返してしまうケースもあります。 (精神異常や、自閉症、もしくは知能遅れの人たちに視られるSelf-Mutilationはここでは取り上げていません) 講演において私が感心させられたのは、聴衆の中のティーンの子達がSelf-Mutilation について 大人や指導者の人たちよりも理解していた事です。 そして、多くの子達が友人や知り合いがSelf-Mutilation を行っていると発言したのには、 正直予想を上回っていて驚かされました。Self-Mutilation によって出来た傷は、 拒食症や薬物乱用よりビジュアルでとても生生しくそして痛々しい為、その対応に戸惑うのが通常です。 Self-Mutilation は必ずしも自殺行為ではない、そして心の痛みを解き放つ為に、 もしくは、痛みを感じるために行っていると理解しているティーン達も、その対応には 戸惑いと困惑のためどうしていいのか分からないと訴てきました。 大抵の場合、その他のSelf-Destructive Behaviorsと同様、 張り詰めたやり切れない 感情に対応する為に身体を傷つける行為を繰り返します。 実際、私が診てきたクライアントの中にも、自殺をしたくないから腕を切ってその場をしのいでいる、 正常心を保つ為に、もしくは生きていると感じるためにあえて自らを傷つけているんだと告白しています。 それでは、自分を傷つけても良いと言っているのかと、講演中に私の説明を聞いていて、 質問をしてきた人がいました。行為を理解する事、又クライアントの痛みを理解する事と、 その行為を促進することは異なります。 勿論、Self-Mutilation が危険で、突発的に死に至る行為をする可能性も無いわけではないので、 その行為を叱ったり、または批判的になるなと要求するのは、 ご両親、友人の立場には困難なことだと思います。 だからこそ、専門家に診て貰う事を第一に薦めるわけですが、その専門家がSelf-Mutilationを 理解している事が重要になっていきます。どのSelf-Destructive Behaviorsもそれとは異なった 対処方法を与えないで、その行為をやめろというのはむしろ危険ですし、無理な話です。 そしてその行為自体を問題として扱うのではなく、前に述べた張り詰めた、 解き放つ事の出来ない感情が何処から来ているのか、その根源にあるものをセラピーにおいて 取り扱わなくてはいけない問題なのです。そして、心を開いた時に見える傷は、 身体に現れている傷よりも深く、より多くの注意とケアが必要なのは言うまでもありません。 興味のある方は、英語ですがSelf-Mutilation についてのサイトを覗いてみて下さい。 1-23-10 www.selfinjury.com www.ruinyourlife.com www.focusas.com/SelfInjury.html 人間関係
人はひとりで生きていけるのでしょうか?インターネットやビデオゲームが普及する中、 昔のように実際会って他人と接することは少なくなったにしても、マイスペースやチャットなど、 もしくはOnlineでの対戦ゲームで結局は形は違ってもどこかで他人と繋がっていたい、 係わり合っていたいという人間の欲求は今も昔も変わらない様に見受けられます。 人という漢字を始めて習った時に、人と人が支えあった形をとって“人”という漢字が出来上がった と言う説明を小学校の先生から教わったのが今でも記憶に残っています。 昔に比べてはるかに便利になった今の世の中で、他人を必要とすること、またはその意思表現する事が、 弱味だとか、恥ずかしいと思う人は少なくありません。 しかし、どんなにひどい状況におかれている子どもがそれでも親を慕うように、 私達人間は自分以外の人との係わり合いが必要な生き物なのだと思います。 だからといって一般に言う“よい人間関係”を築いていくのが簡単ではない、 もしくは困難だと思う人が多いのはなぜでしょうか。 心理学上、子どもの頃の親との信頼関係がうまく形成されなかった場合に思春期を迎え、 大人になったときに周りとの距離間をうまく保つ事が出来なかったり、 もしくは他人との係わり合い方分からないという症状が起きると考えられています。 例え、所謂普通の家庭に育った人たちの中でも、職場の上司、同僚もしくは義理の家族の人との パーソナリティーが咬み合わず、よい人間関係を作れないで悩む人は少なくありません。 そんな困難で厳しい経験をすると、人との係わり合いが鬱陶しくなったり、ひどい場合には 人間恐怖症のように信頼関係が築けないばかりか、他人と話す事も苦になり 家に引きこもるようになるケースもあります。しかし、だからといって他人と繋がっていたい、 係わり合っていたいという欲求が無くなる訳ではないと、今までのサイコセラピーを通して感じます。 家族、友人、同僚など自分以外の人との係わり合いをもって、理想的にはお互いを支えあっていくのが、 本来の“人”のあるべきかたちではないでしょうか。 人は成長するに従って自分の欲求を泣き声から、かんしゃく、言葉での意思表示、 そして相手の気持ちを思いあったコミュニケーションで伝える事が出来るようになるのが、 正常の大人になる過程です。誰も分かってくれないと受動的に諦めるのではなく、 むしろ積極的に自分が他人の為になることが出来ないか、もしくは意思表示のコミュニケーションの とり方を学んでみたりするのはどうでしょうか。 1-10-10 新年を迎えて
あけましておめでとうございます。新年を迎えていかがお過ごしでしょうか。 お正月というと、日本では恒例の紅白歌合戦を見ながら年越しそばをコタツで食べて初詣に向かう... と落ち着いたイメージがありますが、カルフォル二アでは花火やパーティーにローズパレードと 華やかなイメージがあります。 そんななか、何とか日本のお正月の雰囲気を出そうと、紅白歌合戦を観賞しながら 生まれて初めて作ったお雑煮を家族や友達と食べました。 初めて作るのに、友達まで呼んで...と思いましたが、幸いにもお雑煮と言うより、 お餅自体あまりよく理解していない人達がほとんどだったのと、 Just a phone away の母親のお陰で、プレッシャーに負けず美味しくできました。 カウンセリングをするに当たって、セラピストによってそれぞれ違ったスタイルがありますが、 私は常に希望に繋げられるカウンセリングを心掛けています。 「世界に一つだけの花」の歌詞の中に“その(自分)花を咲かせる事だけに一生懸命になればいい” と言うフレーズがあります。 “自分らしく~”というフレーズはよく耳にしますし、そう願うのは当然です。 ですが、多くの人が躓くのはその“らしさ”を見つけること、自分の人生の目的、 意味を見出す時点で困惑してしまう。そして中には毎日を無気力に過ごす、もしくは 虚しさを否定しながらもその空洞を埋めようともがいてしまいます。 前にも述べましたが、人の心も含めてこの世に不変であるものは少なく、 地位や名誉、もしくは仕事やお金に自らの人生の目的、意味を見出そうとして、 挫折して希望を失ったり、人生を諦めたり、欲しかったものを手に入れても虚しさが 残る日々を送る人達は少なくありません。 人にはそれぞれ、長所、短所があります。 会社の面接時でもよく聞かれるように、自分の長所や短所を把握しておくのは大切です。 誰一人として同じ人間がこの世にいないように、一人一人の人生の目的や意味は それぞれ異なっていると思います。 せっかくその人なりの長所や特徴があるのに、「~みたいになりたい」とか、 他人と比べて自分を見失ってしまうのは、せっかくのあなたが宝のもちぐされになってしまいます。 競争心を持つのは悪い事ではないと思いますが、他人の成功や幸せをちょっと悔しいなと思っても 喜んであげられないようになったら、心のチェックが必要です。 自分に無いものに注目するのではなく、自分にあるもの、与えられたものに注目してみてはどうでしょうか。 01-02-10 ホリデーの過ごし方
年末になると、ThanksgivingにChristmasと、モールや町並みがフェスティブな雰囲気に包まれています。 心も弾むはずのHolidaysなのですが、実際それとは逆に、心がストレスで縮み頑なになっている人たちが 多いのもご存知ですか? 例えば、義理のご両親や親戚との集まりで、普段は気にしていなかった家族の問題事や、 触れられたくないセンシティブなトピックが話題になったり、日頃顔を合わせなくてもよかった 苦手な家族の人たちと会う事で、ホリデー気分が半減してしまう...というケースは少なくありません。 また、それとは逆に、とてもホームシックになってしまう方々や、普段は感じていなった孤独感に 苛まれてしまう方々も以外に多いのが現状です。 ホリデーを迎えるにあたって大切なのは、形式ばかりにとらわれず、 自分の中でPriority (優先順序)を立てることです。 Priorityを間違って設定すると、大抵の場合、自分が願っていた結果とはまったく違った結果になってしまい、 せっかくの計画・努力が水の泡となってしまう事もしばしばあります。 例えば、感謝祭やクリスマスのパーティーディナーを自宅でする場合、ディナーの準備支度から、 デコレーションや家族・知人へのエンターテイメントまで、全てを完全に整えようとすればするほど、 ストレスが溜まりイライラしてしまい、ついつい旦那様や子どもにまで言い方がきつくなってしまう。 実際のディナーの最中も、デザートの事や、食べ物が足りないかしら等、気になってリラックスできず、 ディナーが終わったら終わったで片づけが...と楽しむ歩合よりも、疲れる歩合の方が遥かに多い場合は、 Priority の設定がずれている典型的な例です。 また、ホームシックや、孤独感に苛まれている方々は、周りから手を差し伸べられるのだけに頼らず、 自らまず一歩、他人に歩み寄ってみる事をお勧めします。 例えば、家族や昔の友人に連絡を取ってみたり、学校や教会、コミュニティーなどのイベント事に参加してみたり、 知り合いの方々にささやかなクリスマスプレゼント、もしくは、カードをあげることも歩み寄りの一歩になります。 もちろん、これを機に専門家に心を打ち明けるのも歩み寄りの一歩です。 クリスマスは、Jesus Christの誕生日の祝いが由来です。 聖書には「神は愛」と記されているように、愛をセレブレイトする日、家族、恋人、友人、 形は違っても「愛」する者同士が“メリークリスマス”とお祝いする事に意味があるのではないでしょうか。 日本では、12月を師走と言うように、確かに年末を慌しく過ごしてしまうのが常ですが、 この11月の感謝祭や12月のクリスマスを機に、日頃見過ごしているものや人達に感謝をする、 そしてお互いの愛を確かめ合えるホリデーを、過ごしていただきたいと願っています。 12-18-09 子育ての大切さ・大変さⅢ
虐待が起こるとき 今まで数多くの虐待のケースを診てきましたが、どの親も冷静にもしくは冷血に体罰を与えたり、 子供の虐待してやろうとして犯したのではありません。 何らかの薬物の乱用やアルコール依存症の親は除いて、大抵の場合、子どもが言う事を聞かなかったり、 ストレスが溜まる状態が続き感情的になり、その結果虐待をしてしまったというパターンが主でした。 ですから、子どものしつけは常に意識的に目的を持って行うようにしましょう。 育った環境 日本で生まれ育った方々の中には、親から、もしくは学校の先生にも体罰を受けたことがあるという、 今では考えられないことですが、当時は当たり前のしつけの一部として行われていた環境で 子ども時代を送られた方はたくさんいらっしゃいます。 カルフォル二ア州の現在の子どもの虐待に関する法律は、今までに起きた残酷な虐待を未然に防ごうとして、 そういった環境で育った人達には、多少過敏とも思われる内容になっています。 虐待の種類 虐待には、身体的、性的、精神的、そして親として怠慢とみなされる行為の4つがあります。 例えば、体罰を加えた結果あざをつくってしまったり、子どものいる前での性的行為もしくは、 性的に不適切な雑誌やDVDなどの放置、子どもに薬物やアルコールを勧める等は虐待としてみなされます。 法律上、上記どちらかの虐待がされたと言う合理的疑いが生じた場合、適切な機関に報告を しなくてはいけないと定められているのは、サイコセラピストだけではなく、学校の教師、職員など 子どもに携わる職業を持つ者、また医者、看護婦、歯医者など医療関係の者、そして写真屋と 広い範囲の人々が並べられています。 虐待の疑いがあったのにも関わらず、報告をしなかった場合、罰金そして刑罰が課せられます。 虐待のさらに詳しい内容について疑問のある場合は、専門家に質問するとよいでしょう。 もし疑われたら?! 虐待の報告は、各カウンティーのDCFS(Department of Children and Family Services)にされます。 報告を受けたソーシャルワーカーが、調査に入る訳ですが、ここで親御さんたちに覚えておいて頂きたいのは “疑いが生じた場合”と法律に記されている通り、実際調査の結果虐待でないと判断されるケースも少なくはないので、ソーシャルワーカーが連絡してきたからと言って、子どもがどこかに連れて行かれるかもなどと、 恐れる必要はありません。むしろ、心当たりがない場合、快く調査に協力することをお勧めします。 12-04-09 子育ての大切さ・大変さⅡ
敏感な子ども達 子どもは身近にいる大人たちの感情にとても敏感です。 赤ちゃんが胎内にいる間ストレスを溜めたり、悲しがったり、怒ったりすると胎児に影響があると言わますが、 実際生まれてきた子ども達も、母親が不安やストレスを感じていたりすると言葉で言い表せなくても 素早くそれをキャッチします。 影響を受けやすい子どもたち 例えば、両親が喧嘩して険悪なムードが漂っている場合、子ども達は詳しい事は分からなくても雰囲気で感じ取り、時にはそれが学校での授業態度に影響したりします。 その子の性格によりますが、家庭内の問題を思って不安になりイライラしたり、他の子に八つ当たりをしたり、 授業に集中できなくなったりする場合もあります。 ご自分も子供の頃、ある先生や近所の人が自分の事をよく思っていないのを幼いながらも感じ取っていたなど、 思い当たる人もいるかもしれません。 現実的な対処の仕方 大切なのは、非現実的な期待を自分自身に、そして子どもに仮せないことです。 稀に喧嘩をしないご夫婦もいらっしゃいますが、大抵の場合夫婦間に喧嘩は付きものですし、イライラしたり機嫌が悪かったりなど誰にでもあることです。 ですから、子どもに影響したらいけないと思って無理をしすぎるのではなく、その時その時の対処の仕方を、あらかじめ用意しておくのが一番有効的かつ、現実的な対応の仕方です。 幼児虐待 前回のコラムでもお話しましたが、どの場合でも、自分が大人であり、相手が子どもだという事を頭において、覚えておきましょう。 普段そんな事を言われても、当たり前じゃないのと思うかもしれませんが、実際感情的になった瞬間は、それを忘れてしまうケースがよくあるのです。 幼児虐待は、親が自分が大人である事、相手が子どもである事を忘れ、感情に身を任せて行動してしまった最悪のケースではないでしょうか。 感情に任せて、理性を抜きにしつけをしようとすると、いくら愛情があっても虐待に走ってしまうケースはいくらでもあります。 よく、虐待をする「親は子どもの事を愛していない」のだと言う意見を耳にしますが、私の経験上数多くの虐待を診てきましたが、ひどい仕打ちを子ども達にする親御さんが、愛情を感じず虐待を犯してしまったと言う人たちは、ほとんどいませんでした。 11-20-09 子育ての大切さ・大変さⅠ
“大人になる“とは 大人と子供の違いは何か考えた事はありますか? 今日、大人になることを拒み、または避けながら歳を重ねていく人が増えているように見受けられます。 そのせいか、親子関係においても大人としての親ではなく、時に子ども染みた、もしくは子どもと同レベルで 親子関係を形成している家族が増えているようです。 どの国でも、ある年齢を迎えると、“大人”として社会から扱われるようになります。 では、大人になるとはどういうことでしょう? 世の中の仕組みを理解し、その社会に順応し要領よく生きていくのが大人になっていくことでしょうか? 理性を育てる?! “大人になる”とは、感情にとらわれず、理性によって正しい事ができるようになることではないでしょうか。 そして、人はきっと死ぬまで成長し続けられるように創造されているのではないでしょうか。 身体の成長は目に見えますし、脳の発達も学校の成績などで判断できます。 では、こころ、もしくは精神の成長はどうでしょう? 例えば、思いやりのある優しい子に育って欲しい願う親御さんは多くいると思いますが、 ではどういった子育てをすればいいのか、成長が目で測ることが出来ない分、 悩まれる親御さんが多いのが現状です。 子育てって... 「子育て」と一言で云っても、そこには色々な側面があります。 その子のもった才能を伸ばす手助けをしてあげること、人生の岐路に立たされたとき、 または日常での様々な問題に直面した時対処していける術を教えること、「大人」としての見本になって あげること等、人一人を育てるのは、時間も労力もかかりますし、奥が深くライフロングの役割です。 何気ない日常の会話 大人としての見本を見せないといけないから、間違った言動をとったり、子ども達と冗談を言ってふざけたり、 もしくは無邪気に遊んだり出来ないのでは、という質問を受けますが、 そこにはその人達の「大人」としての定義に問題があります。 また、しつけばかりに気をとられて、子ども達と一緒に過ごす楽しい時間を疎かにする人達も、 「こんなに一生懸命子育てしているのに...」といった結果になりがちです。 カウンセリングでもそうですが、問題や人生についてなど、真剣な話ばかりをするよりも、 40~60%の会話をスポーツ、音楽、テレビなどその子に興味を持っているというのが伝わる内容の会話、 もしくは冗談を言い合い、何気ない会話をしたほうが、その子のことがよくわかりますし、信頼関係が深まったりします。 隠し味はやっぱり“愛情” この世に完璧な人間がいないのと同様、完璧な親、もしくは完璧な子どもは存在しません。 その事を念頭においた上で、どの親御さんにも子育てに望んで欲しいと思います。 子育てにおいて時には失敗をするのは当然ですし、正しい子育ては一人一人、 もしくは家族ごとに違っていいのではないでしょうか。 大切なのは、子育てをどうやって完璧にこなすか、どうやって完璧な子どもを育てるかではなく、 むしろその失敗や間違いをどの様に対処するのかが、子育てにおける重要なポイントです。 どれだけ忠実に子育てのハウツーを守っていても、愛情ナシでは意味がありません。 子ども達のこころの成長に大きく影響してくるのは、やはり親御さんから注がれる愛情です。 11-06-09 心のディトックス
一日溜まった毒気をぬく 一日のスケジュールのなかに、こころに溜まった“毒気”を抜くひと時を作っていますか? 一週間のなかではどうでしょう? 忙しく時間に追われ、スケジュールをこなしていく毎日。 こころに溜まっていく重く、モヤモヤした気持ちを排出または消化していかないと、体の疲れと一緒で、 知らず知らずのうちに蓄積していき、溜めたままにしておくと心の病気に罹ったりするものなのです。 毒気(toxin)って? 簡単に云うと、あなたが日常で経験する不満、不快感、嫌悪感など、ネガティブな感情の全てです。 思い当たる節はありませんか?通勤時フリーウェイでの渋滞、仕事場での理不尽な出来事、 嫌味を言われる、協調性のない、人の気持ちを思いやれない人達との接触、感謝されない、 ありがとう、ごめんねの一言がない等。朝“よし、いい一日になる”と思って起きたものの、 様々な障害の多い今の世の中、夜になる頃には疲れ果ててベットに付く人も多い事でしょう。 こんな症状がでてきたら要注意!! やる気や気力がなくなる症状は、うつ病でもよく知られている症状ですが、普段より気が短くなったり、 よくイライラしたりするのも実は、うつ病の症状の一つなのです。 特に思春期の子達にはよく見られる症状ですが、実際成人の中にも見受けられます。 こころに余裕がなくなっている証拠ですね。 ただPMSなど、ホルモンのアンバランスでいつもより感情的になり、イライラするのとは異なります。 周りに「最近ピリピリしてる」とか「疲れてるんじゃない」などと言ってくれる人がいる方々は、 有難く忠告を受け入れる事をお勧めします。 自分では気がつかないうちに身近な人に八つ当たりをするのも、こころのバランスが崩れている証拠です。 その他、食欲不振、過食、不眠、過剰睡眠も危険信号として自己観察してみましょう。 静粛なひと時 こころに色々なものを溜め込んでセラピーに来る人は、まず、吐き出す事からカウンセリングが始ります。 長年溜め込んでいたために、身体にまで影響が及んでいたケースも多々あります。 まるでこころの洗浄をしないと体内にも毒気となって侵入するかのようです。 「病は気から」と昔から言われていすが、近年のあるリサーチで、身体的苦痛を受けた脳の状態が 感情的苦痛を受けた脳と同じ症状を示す事が発見されました。 人それぞれに、合ったこころのディトックスの仕方はあると思いますが、誰にでも出来るお勧めのディトックスは、 一日のうち1分~3分、TVやミュージックなど一切なしの沈黙の一時、静粛な時を持つことです。 その際、意識的に沈黙し、静粛なときを過ごす事が大切です。 息を深く吸って、はくと同時に一日に溜まった毒気を抜くイメージを頭に描くのも効果的です。 ことばのパワー 胎児に話しかけたり音楽を聴かせたりする事は世界的に普及していますし、 植物に音楽や言葉をかけてあげるとよく育つというのは科学的に証明されています。 同様に、私達の日常生活も私達の言葉によって思った以上に影響されています。 よく、人を褒めるのはいいことだと言われますが、褒められた方はもちろんですが、 その言葉を発した人自身にも、ポジティブな現象をもたらします。 “受けるよりも与える方が幸いである”というフレーズを、耳にした事はあるのではないでしょうか。 何も大袈裟な言葉ではなくても、日常の挨拶や「ありがとう」などシンプルな言葉にも 充分ポジティブなエネルギーは含まれていると思います。 現代の天文学によると地球上の私達は、目に見えないエネルギーに囲まれて生活しているそうです。 そう考えると、言葉によって発せられるポジティブ、またはネガティブなパワーが想像や感覚だけでなく、 実際に存在するものとして考えても、不思議ではないかもしれません。 ただ、褒め殺しという言葉があるように、お世辞や上辺だけの心にもない言葉は、 その言葉の持つポジティブなエネルギーよりも、逆に心の中のネガティブなエネルギーに 負けてしまう様なので、気をつけましょう。 10-23-09 人間は中身が大切・・・
外見なんて関係ない?! 人は、内面だけ磨いていればそれでいいのでしょうか? 外見を気にする事はいけないことでしょうか? 大切なこと 身なり、顔の表情、第一印象など、私達の外見はこの世の中、社会においても、大切な事ではないでしょうか。 “外見で人を判断してはいけない”正論だと思います。 ただ、残念ながら私達には、人の内面を見通せる能力は備わっていないので、 外見もその人の一部として、考慮していくのが人の性ではないでしょうか。 「外見なんて関係ない」というセリフは、その人の内面を知ってから言えることだと思います。 プラスティックもあり?! 最近は、顔や体のプラスティック手術が普及していて、美はお金で手に入れらるものとして商品化していますね。多くの場合、周りから容姿をからかわれたり、他人から吹き込まれた中傷を信じていたり、もしくはメディアが作り上げた美を、自分と他人を比べ、自分に自信がもてるようにと手術を受けるようです。 そういった手術を受けるのにはかなりの勇気がいると思いますので、その勇気を内面を磨く方に向ければ、 自分にしかない魅力を見つけることができるのではと思います。 バランスが大切 何事もバランスが大切だと思いますので、内面だけ、もしくは外見だけを磨いていては、 トータルとしてのあなたが、十分に輝けないのではないかと思います。 うれしい事に、両方とも相互作用があるので、外見を磨く事によって、やる気が湧いてきたり、 元気づけられたり、もしくは内面を磨く事によって、外見の雰囲気、顔の表情が変わってきたり、 こういった経験をした方も少なくはないと思います。 内面のケアも十人十色 外見をケアする方が即効性もあり、また市場により多くのノウハウが出回っているという事もあり、 内面のケアよりも重視されているようです。 内面のケアもお肌と一緒で、一概にこれが効くという処方箋があるのではなく、 一人一人に合うケアがあり、市販のものを買うよりは、専門家に診てもらったほうが、 効果が高いのも同じではないかと思います。 10-10-09 幸せとは・・・
あなたの幸せの定義は何ですか。 お金があることですか。愛する人、愛してくれる人がいることですか。地位や名誉があることですか。 それとも、全部? 私は、幸せはどんな状況であっても、その人自身が、選択して決めるものだと思っています。 私達は、“こころ”に目に見えない穴を持ってこの世に生まれてくるようです。 物心つく頃になると、その隙間に気付いてきますが、幼少の頃は不完全ながらも、 もっとも完璧の愛に近い両親、または保護者からの愛情によってある程度の隙間は埋まります。 なかには、隙間に気付かずに幼少時代を過ごす人達もいるでしょう。 しかし、例え一時的にはしっかりと埋まったかの様に見えても、親や保護者の欠点、 もしくは彼らの限界を、成長するに従って認識する事によって、やはり“こころ”の隙間が見えてきます。 私の経験上、虐待を受けたり何らかの事情によって愛情を注がれない幼少時代を過ごすと、 その“こころ”の穴に対する認識が人一倍強くなるようです。 “こころ”の穴に対する認識が人一倍強い人達は、貪欲になり、自己中心的、 自己破滅的な手段で、“こころ”の穴埋めをしようとする場合が多く見受けられます。 身体や脳が発達する事によって、親の愛情だけでは埋まらなかった隙間を人は無意識的に 埋めようとするかのように、友人、恋人、学歴、地位、名誉、金銭、趣味、等に求める傾向が見られます。 多くの場合は隙間が埋まらなく、例え埋まったとしても残念ながら一時的でしかありません。 そういったものは永久的、不変的ではないからでしょう。 今日、一時の幸せを求め、そして落胆する人がいかに多いことでしょう。 “お金さえあれば”とか、“あの人と結婚さえできれば”などと、 本来私達の人生を豊かにしてくれる“ツール”を目的と勘違いしてしまうと、 “~さえあれば”幸せになれるという「うそ」に惑わされてしまいます。 実際、手に入れた“幸せ”よりも、“幸せ”を追っていた時のほうが幸せだったというのを 耳にするのは、きっと“こころ”の穴が一時的に埋まった後の落胆を経験したからでしょう。 09-26-09 |
Afumi Saito
カリフォルニア州認可カウンセラー M.S.,LMFT (MFC#41397) 9405 Flower St. Bellflower, CA 90706 http://www.fruit4thespirit.com/ (310) 972-8284 要予約 オフィスアワー:月・木・金・土曜日 10:00-19:00 |